2月に止まるホールクロックの謎

八ヶ岳高原のある場所に設置されている大きなホールクロック。二年前にオーバーホールしたのですが、昨年に続き今年も止まってしまいました。そのホールクロックは決まって二月なると止まります。何故か? 不思議に思いながら原因を探りました。

 昨年の2月は文字盤を止めるネジが何故か緩んでいたのが原因でした。ネジが緩んだことで文字盤が浮き上がり、針とこすれて止まってしまう状態でした。今年は...昨年と同じかなと思いきや、ネジは緩んでいません。あちこち触る前によーく観察すると...解りました、止まりの原因!前回と同じく針が文字盤に触ることで止まってしまう様です。

 何故触るのか?いろいろ考えて見ると見えてきました。それは木製の時計本体の乾燥による歪みが原因でした。頑丈な木でできた枠ですが、天然木ゆえに湿度変化には逆らえないようです。浮き上がった文字盤は湿度調整しか治す方法がないようですので、部屋の湿度を上げること、又は時計の中に水を入れたコップを置くなどの対策を提案しました。冬の乾燥やエアコンの乾燥などの条件が重なったことが止まりの原因だったとは、正直なところ驚きでした。とは言っても時計のご機嫌を取りながら時を刻んでもらうなんて楽しいですよね~ 手間はかかるかもしれませんが、機械時計ならではのゆったりした贅沢だと思います。

見上げる程の大きな時計です。

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