SEIKO 日の出型置時計 ウエストミンスター

静岡県S様からの修理の依頼です。

止まりの原因は、油切れ、油の劣化、ほぞ穴の摩耗による変形などでした。

テンプ式のゼンマイ置時計です。

テンプを外した状態の脱進機(ガンギ車とアンクル)ここで時間調整の精度が決まります。

地板を外した状態の歯車の数々。一つでも欠けると時計として機能しません。高機能な時計ほど部品数が多くなります。いい眺めと思いませんか? 美しいでしょ?

歯車を外した状態のほぞ穴。劣化した油かすが確認できます。

歯車部分にも汚れの付着があります。これも綺麗に洗浄します。

香箱という名のゼンマイケースの中からゼンマイを取り出し洗浄します。この時計の香箱は3個。(時計動作用、チャイム用、時打ち用)

綺麗になったゼンマイを香箱に納めるのは力技です。注油をしながら優しく、そして力強く押し込みます。

元気になった時計を見ていると嬉しくなります。またこれでしばらくの間動き続けてくれるでしょう。綺麗な音色を奏でてくれる楽器のような時計。愛着がわいてきます。

 

 

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